INTERVIEW
マッチング事例 インタビュー
Vol.8中小企業診断士の資格を持つ
大手自動車部品メーカー出身者が
外部顧問の立場で現場改善とリーダー育成を支援
背景・課題
平均年齢33歳と若手が主力を担う現場に寄り添い、作業効率の向上や検査業務の効率化を図るとともに、それを牽引できる中堅・リーダー層を育成したい。
成果
大手自動車部品メーカー出身で、中小企業診断士の資格を持つ人材を顧問としてマッチング。1年間の伴走支援型プロジェクトで、現場改善と若手リーダーの育成を進行。
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経営人材を採用した地域企業
株式会社MRT
- 代表取締役
- 村田 直喜 様
若手主体の現場で、
生産体制改善・業務効率化をリードする人材を求めて
株式会社MRTは、半導体や工作機械、航空機向けなどの金属切削加工を手がける企業です。アルミなどの難加工技術を強みとし、高い品質と適正コストのバランスで顧客から厚い信頼を得ています。現在、社員の平均年齢は33歳と非常に若く、活力に満ちた組織構造を作り上げてきましたが、一方で「指導や育成を担える中堅人材の不足」という課題を抱えていました。外部講師を招いた座学中心の研修を実施するなど、作業効率の向上や検査業務の効率化に努めてきましたが、継続的な実践に結びつかないというのが実情でした。
中途採用による人材の補強も検討しましたが、社内の人間関係への配慮や初期コストの懸念から踏み切れずにいました。また、外部コンサルタントの活用も考えましたが、費用や時間面の条件が合わず導入には至りませんでした。「社内の関係性を保ったまま、現場に直接入って指導してくれる専門人材はいないか」と考えていたところ、三十三銀行様よりご紹介いただいたのが、大手自動車部品メーカー出身の加藤さんでした。
代表取締役
村田 直喜 様
顧問としての業務委託契約が、
自社のニーズにマッチ
加藤さんは、大手自動車部品メーカーの生産技術部門で全社的な支援に長年携わり、直近の調達部門では取引先工場の現場改善にハンズオンで取り組んでこられた大変貴重な人材です。また、REVICareerには「転籍」のほかに兼業・副業のマッチング制度があると知り、大企業の知見を持つ人材を業務委託という形で活用できる点に大きなメリットを感じました。報酬も外部コンサルティング導入に比べて非常に合理的な水準で、無理のないペースでスタートできる条件だったことも、契約の決め手となりました。
しかも、お話をつないでくださったのは、メインバンクである三十三銀行様です。勤怠管理システムの導入でもお世話になり、当社の強みや経営課題、将来像を深く理解してくださっている銀行様からの推薦であったため、信頼感を持って契約まで進めることができました。
表面上の課題ではなく「本質」を見抜く視点に感嘆
加藤さん本人と協議の末、「1年間、月1回程度の訪問指導」という形で現場改善のプロジェクトにあたっていただくことにいたしました。まずは、私と製造部長、生産管理主任の3人に加藤さんを加えた4人のスモールチームを結成。リーダー層が直接指導を受けて意識とスキルを高め、その実践姿勢を現場に見せていくという段階的なステップを踏む計画です。
最初に着手したのは、現場の「3S(整理・整頓・清掃)」と生産スケジュールの最適化。不要なものの廃棄によって現場スペースが広がっただけでなく、加藤さんの鋭い視点により、「計画通りに進まない根本原因は、ベースとなるデータの不足にある」という本質的な課題も明らかになりました。
加藤さんの指導の最大の特徴は、実際の現場を見ながら具体的にアドバイスを行い、次回までの「宿題」を課す伴走スタイルにあります。現場に寄り添いながら「管理者としてどこを見るべきか」という着眼点やゴールを示してくれるため、チームメンバーには自覚と主体性が芽生えつつあります。
本業の組織基盤を「筋肉質」に強化するために
加藤さんとのプロジェクトを通じて目指すのは、単なる一時的な改善ではなく、本業である金属加工の現場を「筋肉質で強い組織」へと生まれ変わらせることです。厳しい業界環境の中で生き残り、さらなる事業展開を進めるためにも、大手企業で培われた管理手法や考え方を吸収し、組織としての基礎体力を高めていくことが必須だと考えています。
また、若手リーダーの育成という観点においてもこのプロジェクトには大きな期待を寄せています。加藤さんの指導の下で若手社員が自ら考え、後輩を巻き込みながらチームを牽引する経験を積むことで、次世代のリーダーシップが醸成されることを願っています。
兼業や副業での人材確保は、中小企業が大企業の高度な知見をピンポイントかつ納得感のあるコストで活用できる柔軟なマッチング制度です。このメリットを最大限に享受し、大胆な改革に挑んでいく所存です。
マッチングした経営人材
- 中小企業診断士
- 加藤 泰子 様
望んでいたのは「管理職」ではなく「現場のプレイヤー」
大手自動車部品メーカーにて、約15年間にわたり生産技術のエンジニアとして、社内工場の自動化やライン立ち上げに携わってきました。その後、調達部門へ異動してからの約10年間は、取引先である中小企業の工場自動化やQCD(品質・コスト・納期)の改善活動に従事。さらに、経営状態や組織づくりまで見据えたより幅広い支援へと発展させていきたいという思いから、在職中に中小企業診断士の資格を取得しました。
一方で、職場では管理職という立場にあり、マネジメントを担うことを期待されていました。しかしながら、「一生、現場で手を動かすプレイヤーとして仕事がしたい」「これまでの経験を活かして中小企業の力になりたい」という思いが日に日に強くなり、独立という大きな挑戦を決意。中小企業診断士として中小企業様のコンサルティング業務を請け負う中、REVICareerを通じてMRT様とのご縁に恵まれました。
中小企業診断士
加藤 泰子 様
「柔軟な働き方」をかなえてくれたREVICareer
REVICareerを知ったのは、メーカーに在職中、社内のキャリア相談室のコンサルタントから紹介を受けたのがきっかけでした。「市場での自分の立ち位置や客観的な評価を把握したい」と思い、さっそく登録。正社員としての転籍型の求人が多く、自分の条件に合う求人を見つけるのは難しいのではないかと思っていたところ、三十三銀行の橋爪様より「業務委託の形式でも求めている企業がある」とご連絡をいただきました。そこでご紹介を受けたのが、MRT様のコンサルティング案件でした。
橋爪様はMRT様のメインバンクとしての立場から、経営課題や目指す方向性を熟知されており、それを丁寧に共有してくださいました。おかげで不安が払拭され、月に1回程度のハンズオンでの指導とフィードバックを、1年かけて担当させていただく顧問として契約を結ぶに至りました。条件面はゼロからの調整となりましたが、橋爪様のご尽力もあり、お互いに納得のいく形でスムーズに話を進めることができたと感じています。
社員の主体性を引き出す実践型の支援を目指して
顧問という立場で企業に関わる最大のメリットは、社内の意思決定権限を持たない「サポーター」として、客観的な視点から現場の自律的な成長を促せる点にあります。大企業では日常的に行われている「3S」といった現場改善の取り組みも、中小企業にとっては「初めて」であることが少なくありません。一方的に手法を押し付けるのではなく、実際に現場で背中を見せながら、その企業の規模や風土に合わせた形へアレンジして落とし込むことが重要だと考えています。また、毎回の訪問で具体的な「宿題」を提示し、次回の訪問までに試行錯誤して手を動かしてもらうことで、社員の皆さんの主体性とやりがいを引き出していきたいと思っています。
一方、顧問という形をとることで、企業様側には「費用負担を抑えながら大企業で培われた高度なノウハウを吸収できる」というメリットがあります。月1回ないしは数回の定期訪問であっても、現場の改善に必要な知見をお伝えするには十分だと考えています。
支援終了後も自走できる企業づくりを目指して
この1年間に及ぶプロジェクトでの最終ゴールは、「私がいなくなっても、会社自体が自律的に活動を継続(自走)できる状態を作り上げること」です。
外部顧問の支援を長期にわたって受け続けなければ活動が回らないという構造は、企業にとって望ましい姿ではありません。1年という限られた期間の中で、現場のリーダーや若手社員が自ら課題を発見し、改善サイクルを回していける仕組みと意識を根付かせることが私の使命だと考えています。その後は、自社の力で歩んでいただき、また別のステップで必要な際にお声掛けいただくのが理想的ではないでしょうか。
そして、1年間のプロジェクト完了後は、REVICareerのプラットフォームを通じて新たな経営課題を抱える中小企業様と出会い、切れ目なく支援を届けていきたいと考えています。
大企業で培った知見と中小企業診断士としての専門性を活かし、伴走型支援を通じて地域のモノづくり企業と経済の発展に今後も貢献できましたら幸いです。
- 株式会社MRT
- 〒454-0996
愛知県名古屋市中川区伏屋二丁目209番地
マッチングを仲介した地域金融機関
株式会社三十三銀行
- 執行役員 営業本部営業企画部長
- 林 倫明 様
- 営業本部営業企画部本業支援課長
- 近藤 公博 様
- 営業本部営業企画部本業支援課主任
(DXコンサルティング業務担当) - 橋爪 寿人 様
「両手型」人材紹介で、
東海地方の製造業を支援
当行の営業エリアである東海地方は製造業が非常に盛んな地域であり、日頃からお取引先企業様より人材確保や人手不足に関するご相談をいただいております。当行では、2021年の合併以前から行っていた人材紹介業務をさらに強化するため、2024年4月に「本業支援課」を新設。現在は、人材紹介業をはじめDX、カーボンニュートラル、SDGsなどの分野で企業様の支援に取り組んでいます。
さらに、2026年4月からは、従来実施していた求人企業側の対応のみを行う「片手型」だけでなく、自行で求職者のスカウトからマッチングまでを一貫して行う「両手型」の人材紹介業務を本格的に始動いたしました。地域企業の経営課題解決により深く貢献するためには、当行自らが求職者様と直接つながり、自信を持って企業様にご紹介する体制が必要だと考えたためです。求職者様・企業様の双方により納得いただける環境が整ったことで、本業支援における大きな手応えと顧客エンゲージメントの向上を実感しております。
執行役員 営業本部営業企画部長
林 倫明 様
REVICareerから地域企業の課題解決につながる人材を発掘
両手型人材紹介の開始にあたり、REVICareerのデータベースを分析してみて気付いたのは、東海エリアには大手自動車部品メーカー等で高度な専門知識や現場管理ノウハウを培った優秀な人材が多く登録されているという点でした。この知見は地域の中小製造業様の課題解決に必ず役立つと確信し、積極的にスカウトを進める中で出会ったのが加藤様でした。
加藤様は大企業での豊富な経験に加え、在職中に中小企業診断士を取得され、中小企業支援を行いたいという明確なご意向をお持ちでした。加藤様は正社員としての転職を希望されておらず、スカウトに対しても当初は慎重なスタンスを示されていました。しかし、加藤様からいただいた自己PR資料を拝見し、当行の顧客企業の課題解決に大きく貢献できる人材だと確信。そこで「絶対にこのご縁を逃してはいけない」という情熱をもって、Web面談やメール・電話での密な連絡を重ね、MRT様へのご紹介へとつなげることができました。
営業本部営業企画部本業支援課長
近藤 公博 様
新たな選択肢で双方のニーズに応えるマッチングを実現
今回マッチングを行ったMRT様は若手社員が多く、生産管理や作業時間の標準化に課題をお持ちでした。外部講師による研修なども試されていましたが、単発の取り組みでは現場に定着しにくかったようです。当行では勤怠管理システムの導入支援を通じてそのような現場の状況をすでに把握しており、この事前の関係性があったからこそ、「継続的に現場へ入って指導できる兼業・副業(請負等)型のプロ人材」という選択肢をご提案することができました。
当行にとってこのようなスキームでの両手型マッチングは初の試みでしたが、丁寧なヒアリングを重ねながら調整を進めてまいりました。訪問頻度が高すぎるとMRT様の現場業務を妨げる懸念があったため、協議のうえ訪問は「月1回程度」に設定。加藤様から社員の方々に具体的な「宿題」を提示し、次回訪問までに現場で実践・改善してもらう伴走型の支援スタイルを構築いたしました。
プロ人材の知見を広げ、
地域企業に持続的な成長を
1年間のプロジェクトによりMRT様の現場改善や作業標準化が達成され、自律的な組織へと成長されることを期待しております。そして、自走できる仕組みが整った後は、広域な営業基盤(東海地区に加え、奈良・和歌山・大阪など)を生かし、他の経営課題を抱える地域企業へも加藤様の知見を展開していきたいと考えております。
地方の企業様の中には、地理的な要因や条件面から正社員での採用が容易ではない地域も多く存在します。そうした地域に対して、移住・転職だけでなく、兼業・副業でのマッチングも十分有効であり、地域経済に関わる「関係人口」を増やし、経営課題を解決する手段になると実感しております。
当行としては、今後もREVICareerを最大限に活用し、単なる融資にとどまらない総合的な本業支援を通じて、地域企業と地域経済の持続的な発展に貢献してまいります。
営業本部営業企画部本業支援課主任
(DXコンサルティング業務担当)
橋爪 寿人 様
- 株式会社三十三銀行
- 〒510-8670 三重県四日市市西新地7番8号
- https://www.33bank.co.jp/